行ってきました“文学散歩”

行ってきました“文学散歩”

 

青池國晴(昭和43年・教育)

 

10月19日(土)、文学散歩に出かけました。船橋稲門会の「旅の会」が主宰して、毎年、実施しているものです。今回は題して「『放浪記』の林芙美子に会いに行こう~おまけに江戸川乱歩の旧居にも~」。

はじめに新宿区中井にある林芙美子の旧居を訪ねました。幼小期から木賃宿を転々。貧苦による屈辱、飢え、絶望に耐えて作家として大成した林芙美子。我が家の建築に当たつては、部屋ごとに大工を代え、木材も自ら選定するなど、贅の限りを尽くしました。芙美子の亡き後、夫の画家・緑敏(りょくびん)がその家を守り、緑敏亡き後は芙美子の姪・林福江が相続しましたが、今は、新宿区が買い取り、記念館として公開しています。

次に池袋に移動。昼食を挟んで江戸川乱歩の旧居を訪ねました。乱歩は稲門出身でわが国推理小説作家の草分けです。一世を風靡した「少年探偵団」や「怪人二十面相」などの作品もこの家で生まれました。昭和20年の空襲で一帯は焼土と化しましたが、乱歩邸だけは奇跡的に焼け残り、現在、隣接する立教大学が保有、曜日を限定して公開しています。母屋と土蔵があり、土蔵には乱歩の収集した万巻の書籍が保存されています。

というわけで、一端ではありますが、二人の作家の生い立ちを知ることのできた文学散歩でした。

さて、来年は文京区の「団子坂」周辺を散策し、新装なった森鴎外記念館などを見学したいと思っています。あらためてご案内しますので、皆さま、どうぞご一緒に。

〈参加者〉順不動・敬称略

澤田俊子・澤田榮三・上原伸夫・石毛由美子・田久保信子・鮫島緑・奥原崇嘉・清水睦雄・反町直之・寺村繁・高橋曻三・井口政次・後藤守孝・青池和子・青池國晴

文学散歩109